生活

2020年4月17日 (金)

自分のクリーンな吐息の一部を再吸入できるマスクの形


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ニュースで新型コロナウイルスに関する海外の映像を見て、アヒルの口のような大きなマスクをしている人が多いことに気づきました。アヒルの口のような形のマスクというのは、例えば下に引用させて頂いた写真のような形のマスクです。この写真の製品のマスクは医療用なので、生地もしっかりしていて予防用として使えるようですが、普通の生地でもこのような形にすれば、同じ生地で作る平坦なマスクよりも予防効果が高いのではないかと思いました。

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マスクは、もし自分が気づかずに感染者となっている場合に、話をしたり咳などをしてマイクロ飛沫を飛ばさないためにはとても効果があるので必ず着用する必要があります。もしマスクをしない人がマイクロ飛沫を飛ばしてしまうと、その水分が蒸発したあともウイルスだけが空中に漂うことになります。その小さなウイルスの尺度では、写真のような医療用のマスクは別として、市販のマスクはザルのようなものなので予防のための効果はないと言われています。それでも、普通の生地でマスクを自作する場合に、この医療用の製品を参考に、形だけでも真似て作れば予防効果が少しは期待できるのではないかと思った次第です。

口に密着する平坦なマスクでは、呼吸で吸い込む空気は100%が外気からの吸入ですが、それに比べると、口元の空間が広い写真のようなアヒルの口の形のマスクは、生地の空気抵抗により吐息が一時的にマスクの中の空間に留まるので、次に息を吸うときはマスクに溜まった自分の吐息(※)も含めて吸い込むことになり、肺の中にあったできるだけクリーンな空気を一部再利用できると考えられます。従ってこの形はとても効果的だと思います。

(※ 吸い込んだ空気に含まれる酸素はすべて肺で吸収されるわけではなく、吐息の中にもある程度の酸素が残っています。)

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もう少し詳しく考えると、アヒルの口型のマスクは口元に空間が確保されているので、外気をダイレクトには吸い込まずに、まずマスクの中に作られたバッファとなる空間の空気を吸い込みます。そして吸い込んだ時にそのバッファ空間に外から充填される空気の量は、呼吸の気圧変化による生地のわずかな変形でバッファ空間が小さくなるため、吸い込んだ量よりも少ない空気しか外気から充填されないことがポイントです。(例えばこれと同じ形のマスクを凹まない硬い材料で作ってしまうと、呼吸で吸い込む量と同じだけの外気がバッファ空間に入り込んでしまうため、効果は少ないと考えられます。)そして少し凹んだあと、その凹みを戻すためにバッファ空間に充填される空気は自分が吐き出す空気です。このため、肺の中は、外気との交換率が100%よりも少ない状況を保つことができそうです。(でも十分時間が経ったあとは平衡状態となり、肺の中の空気は外気と同じ汚染された空気が入り込んでしまいます。)ここまでのポイントをまとめると、1つ目は、自分が吐いた空気がマスクの中に一時的に留まるので、それを再吸入することができるということと、2つ目は、吸い込む時はマスクが凹むことによって、外気がマスクの内側に入りにくくなる、ということです。

以上のことをわかりやすい別の例えで説明してみます。粘膜を外気に触れさせないために、ビニール袋を頭からかぶって首の部分で密閉すれば予防効果は完璧ですが、これでは酸素が肺で徐々に吸収されてしまい、呼吸できなくなってしまいます。そこで、そのビニール袋に小さな穴をたくさん開けてかぶると、自分の吐き出した空気をその袋の中に戻しつつ、たくさんの穴を通して適量な外気が袋の中に補充されるので、中の酸素を維持することができます。ここで重要なことは、中の酸素が維持できるだけの、たくさんの穴を袋に開ける必要があるということです。それを見極めるのは難しいので、十分多めの穴を袋に開けることになります。そんな、穴を十分たくさん空けたビニール袋をかぶるのと同じ状態が、口元の空間を広く確保できるマスクを付けて呼吸することだと思います。ただ、ビニール袋をかぶるのと違ってマスクでは目の粘膜までは守れませんが。

この写真のような形のマスクは、ダックビルタイプ(英語を訳すとアヒルの口型)と呼ばれている商品のようで、以上のように考えるとすごく理にかなった形と言えます。これと同じものを形だけでも真似させて頂いて作れば、少しはその恩恵に預かれるのではないでしょうか。真似て作っても、個人で利用する限りは特許や意匠を気にせずに使うことができます。

繰り返しますが、自作マスクという条件で比較した場合、アヒルの口の形の方が平坦なマスクよりも少しは予防効果が見込めるというだけで、自作マスクは医療用のマスクででないことに変わりはないので、予防のために安心して使用してはいけません。アヒルの口の形でも医療用でなければ、十分時間が経ったあとは、肺の中の空気は外気と同じウイルス濃度になってしまいますので、長時間使用する場合は形によるアドバンテージはありません。

 

Naushika

ちなみに、ナウシカのマスクも両側にバッファ空間のようなものがあるので効果的と思われます。

 

そしてこのアヒルの口型マスクはコーヒーフィルターの形に似ています。開く前のコーヒーフィルターの形の布を2枚貼り合わせれば、この形を実現することができます。

さらに、コーヒーフィルターの形の場合、縫い目を縦にしてマスクの縁が目の高さまで届くような高さで装着すると、鼻の凹凸の位置を避けるように覆うので、隙間も小さくなってフィット感もなかなかいいです。

もしこのマスクを薄い生地で作る場合などは、中に本物のコーヒーフィルターを入れると、フィルタリング効果が少しは高まったり、中のコーヒーフィルターだけ交換することができたり、形を保持しやすくなるなどの利点もあります。

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コーヒーフィルター・マスクで検索したら、すでにたくさんの先人たちがコーヒーフィルターを使ってマスクを作っておられました。そのほとんどはコーヒーフィルターの開いているところを閉じて、逆に閉じているところを開くことによって、市販の立体型のマスクに近づけるような作り方なのですが、むしろ単純にコーヒーフィルターの形をそのまま使った方がアヒルの口型になり、口元の空間を大きく確保することができます。

このマスクの型紙を作ってみましたのでよろしければご利用下さい。

コーヒーフィルター型マスク

【ご注意】このマスクを付けて運動をしないでください。生地が空気を通しにくい場合は酸欠になる危険があります。また、このマスクを付けたままで眠らないでください。もし息苦しくなった場合は、生地が厚すぎるなどの理由により空気を通しにくいため使用しないでください。防水スプレーを使用すると空気が通らなくなりますので絶対に使用しないでください。

 

 

 

 

2019年11月29日 (金)

エネループ(充電電池)を復活!


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今使っているMacのマジックマウスは単三電池2本が必要で、連続して長時間使うためにエネループ プロ(eneloop pro)を使っています。合計4本の電池で2本づつ交換して使い、取り出した電池はすぐに充電して次の交換に備える、ということでこれまで使ってきました。

ところが最近、その交換周期が著しく早くなってきて、ついに電池を充電器に入れても充電中を示すLEDがすぐに消えてしまうようになってしまいました。1000回も充電できるはずのエネループだし、これまで毎回、放電後に充電してきたからメモリー効果で使えなくなることはまだまだ考えられないと不思議に思い、もしかするとと思って接触不良を疑いました。

そこで、電池のマイナス側を見ると、金属部分が曇っていたので、たぶん酸化膜ができていて、それに覆われて接触不良になっているか、あるいは接触していても接触抵抗が大きいことは間違いないようです。

この酸化膜を除去する方法を色々試してみましたが、接点復活剤などの薬剤を使っても効きがイマイチで、最終的に効果があったのは「砂消しゴムで擦る」ことでした。その結果、下の写真の右側のように、金属の輝きが戻りました。左側は磨く前のものです。

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この状態で電池を充電器にセットすると、、、結果は大成功でした。充電中の状態が長時間続き、まだまだ使える電池であることがわかりました。

砂消しゴムは、硬いものよりも柔らかいものがおすすめです。硬い砂消しゴムは粒子が粗いものが多く、粒子が粗いもので擦ると、目で見てわかるほどの擦りキズが付いてしまいました。また消しゴムの大きさは、大きなものではなく先端が細いものを使用して、電池のマイナス側の面に円を書くように、ピンポイントで力を加えて擦るのがよい結果が得られました。大きな砂消しゴムを使うと、マイナス極の周囲を覆っているプラスチックフィルムを傷めてしまいます。

下の写真は一番効果があった、鉛筆タイプの細い砂消しゴムです。昔買ったもので、USA製のようです。これを使ってプラスチックフィルムに触れないように小さく動かすと、きれいに酸化膜を取り去ることができました。

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この砂消しゴムは長年使っていなかったものですが、充電電池を復活させるためにこれからも重宝する存在になりました。

電池のメモリー効果などを疑う前に、まずは端子を磨いてみることをお勧めします。

充電バッテリーだけでなく、開封して長期間放置しておいた乾電池も、金属の表面が曇っていたら同様に復活できます。

 

 

 

 

2018年11月27日 (火)

洗濯機などの重いものを車に積み込む方法


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先日、ドラム式の重い洗濯機を人に譲るためにミニバンに積み込んだのですが、おとな二人で車の荷台まで持ち上げるには高すぎて重すぎて、いざ車に積み込むという段階で思いついてうまくいった方法を紹介します。
その時は二人だけでなんとかしなければならなかったので、重すぎる課題の方はどうにもならず、一方の高すぎる課題の方を、一気に持ち上げずに少しずつ高くすることで解決しました。このために使ったのは、身の回りにあった適当な台(ビール瓶を入れるカートンケースなど)です。
アニメーションGIFで描くとこんな感じです↓ (スマホではパソコン表示モードだとうまく見えると思います。)

Sentakuki

この図のように、洗濯機の底が台からはみ出す場合は、一人が次の台を準備する間も、洗濯機が倒れないように、必ずもう一人が常に支え続ける必要があります。そして台が洗濯機の底を傷めないことを確認する必要があります。
洗濯機に限らず、重い物を持ち上げるときのお役に立てばと思います。

 

 

 

 

2018年10月27日 (土)

洗濯機の排水トラップ 床下の排水カップまで外れてしまったら


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突然、洗濯機の排水口から下水の臭いがしだしたので、トラップを外して掃除しようとしたら、トラップが洗濯機の真下にあるのでトラップが外せなくて困りました。結局、洗濯機をかさ上げするための「かさ上げ台」を購入して洗濯機の下に置き、自由にアクセスできるスペースを作りました。かさ上げ台は1万円以上もして高価だと思って購入をためらっていましたが、Amazonで探したら手頃なかさ上げ台が見つかりました。
そしていざ、トラップを外してみたのですが… ここでとんでもないことをしでかしてしまいました。まず、トラップの一番上に付いていたフタは下の写真のような形をしています。

トラップのフタ

排水トラップの「フタ」

この形を見ると、2か所の突起に指をかけて反時計回りに回すものだと、普通は思いますよね? でも違うんです。この突起を絶対に回してはいけません。このフタは、突起をつまんで上に引っ張るだけでよかったのです… 狭い隙間に手を差し込んで作業する場合、そんなことを考える余裕もなく、経験的に、ついつい回してしまいました。
すると、このフタと噛み合っている一番外側のリングも回ってしまって、防水パンの下(裏)にある排水ダクトのカップが外れてしまうんです! 素人がこんなに簡単にやってはいけないことをしてしまう原因は、排水ダクトの取り付け方法が悪いのではなくて、悪いのは間違って操作しやすい、このフタの形です。建築時には下の図のように、排水カップとネジ式のリングで防水パンを挟み込むような構造になっていますが、このリングが外れてしまったのです。

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そのときはまだ事の重大さがわかっていませんでした。取り外した排水トラップの中の部品を洗ってから元通りにはめようとした時です。排水カップは床下に脱落してはいるものの手の届くところにあって、上のリングを床下の排水カップに当ててネジの溝どうしを合わせ、時計回りに回して接続すればいいだけなのですが、上の図のように、防水パンの大きな穴がその間に入るように接続しないといけません。何が問題かと言うと、例えば床下に小人さんがいてくれて、リングと排水カップを接続するまでの間、小人さんが床下で防水パンの裏に排水カップの位置合わせをしながら押し当てるようにして支えてくれていればいいのですが、そうもいかず、リングで固定しようにも排水カップが床下で宙ぶらりんなので何ともしようがないのです…
こうなると、妻と二人でも持ち上げられないような重い洗濯機(しかも狭いスペースに入っているので両側から持ち上げられない)を移動させてどける → 防水パンを床から外す → 防水パンの上と下からリングと排水カップを挟んで接続する → 防水パンを床に固定する → 重い洗濯機を元の位置に戻す、という方法しか思い浮かばずに途方に暮れた末に、仕方なく作業費が1万円以上かかることを覚悟して、マンションの管理会社に電話をしました。
マンションの管理会社は下請けの専門業者に連絡をしてくれて、専門業者からの見積もりの連絡待ちの状態だったのですが、その間に、ふと解決策を思いつきました。排水カップは下から支えるのではなく、排水カップの内側から支えればいいのです! つまり片手で排水カップを内側から支えて、もう片方の手でリングを回せばよいのです。そのためには、使い捨ての手袋などをして、リングに腕を通しながら、ヌルヌルの排水カップの中に手を通して、カップに空いた穴からダクトの方まで指先を入れてカップを防水パンの下に引き寄せておいて、もう片方の手でリングを排水カップにあてて回して固定すればよいのです。腕をリングに通しておくというのが、知恵の輪を解くような解決策です。

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そしてこのネジの溝を強く締めるためには… この部品の欠陥を逆手に取って、あの突起部に指をかけて、締まる方向に回せばよいのです。
なぜこの突起は、「ここに指をかけて回して下さい」というような形になっているのか、そして、もしも間違って回してしまったときに、なぜ空回りするような設計になっていなかったのか、というところが残念です。おそらく同様の苦情が殺到したのでしょうか、最近は下の写真のような形の改良型も販売されているようです。

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写真右の方は、上に引っ張れば外れることがすぐにわかります。直感的に操作方法がわかるデザインというのはとても大切です。

 

 

 

 

2017年10月17日 (火)

シールをはがしたあとのベタつきは、油絵具のブラシクリーナーで


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シールをはがしたあと、ベタつきが残ると、これまでは消しゴムでこすって取っていたのですが、プラスチックなどは柔らかい消しゴムでこすっても、消しゴムの成分と化学反応をおこして曇ったような跡が残ってしまいます。一般的にシールのベタつきは、台所用の洗剤や、アルコールでこすってもだめでした。一方、シンナーやマニキュアの除光液などの強力な溶剤でこすると、下地の塗装がはげてしまったり、樹脂が溶けてしまったりして強すぎます。

そこで、家にあった油絵具用のブラシクリーナー(筆洗オイル)をティッシュペーパーに付けて軽く拭いたところ、跡形もなくきれいに除去できました。シンナーよりも弱い溶剤なので、下地を傷めることも少なく、比較的使いやすいと思います。

ブラシクリーナーになじみがない方のために、以下にAmazonの商品リンクを貼っておきます。

このことがわかって以来、古い不用品をオークションで出品する時などの汚れを落とすために、強度の弱い順に、中性洗剤、アルコール、ブラシクリーナー、シンナーなどを小瓶に入れて常備して、うまく使い分けられるようになりました。

【ご注意】 油絵具のブラシクリーナーは、シンナーよりも弱いとはいえ溶剤ですので、こすったところの塗装が落ちてしまったり、樹脂がくもってしまうなどの可能性がなきにしもあらずです。念のため、目立たないところをこすってみて、様子を見てから使用されることをお勧めします。

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2016年4月25日 (月)

靴を横向きに脱いでおくと履くときも便利!


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観光地でお寺を訪れたりすると、本堂などに入る時は階段の下で靴を脱いで上がることが多いですが、この時に靴を「入船」の方向に脱いでおくと履く時に不便だし、「出船」の方向に脱いでおくと脱ぐ時に不便です。

そこで、脱ぐ時も、次に履くときも便利な方法として、「靴を横向きに脱いでおく」という脱ぎ方を少し前から実践しています。こうすると、横にステップを踏み出すだけの簡単な動作で、靴を脱いだり履いたりすることができます。自宅だけでなく、訪問先でも啓蒙的に(?)実践していて、その便利さがわかってしまうと、もうずっと「横脱ぎ」ばっかりです。

この方式の難点は、玄関先などの狭いところで大勢の人がみんな横向きに脱ぐと、靴を脱ぐ場所の横幅のスペースをたくさん占拠してしまうことです。その場合の対策として、脱ぐ場所がなくなったら、玄関に近い方に列を増やしていって、一番新しい列に脱ぐようにすればよいです。

家の中で靴を脱ぐ習慣がある日本ならではの、玄関先で靴を脱ぐときの正しい作法というものはあるのですが、横向きに脱ぐ方式を流行させて、こちらの方が正しい作法になればみんなHappyになるのでは、と思いつつ書いています…


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2015年1月25日 (日)

マウスを持つ手が冷えるときの対策


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リビングの片隅に小さめの机を置いて、その上に大きなiMacを置いてこの記事を書いています。
冬になると、自分一人の時は自分だけのためにエアコン等を使って部屋全体を温めるのがもったいないので、机の下に消費電力の小さなフットヒーター(メトロ製) を置いて、その周りを断熱材で囲み、掘りごたつに入るようにして快適に過ごしています。(この詳細は別の機会に紹介しようと思います。)

そんな快適な環境でも、マウスを持つ手が冷たくなるという欠点がありました。そこで考えたのが、手の甲から放熱する分だけ熱量を補給すればよいので、小さなクリップライトを、マウスを持つ手の甲に近づけて温める方法です。これにより今年の冬は作業に集中することができました。

今使っているのは、Amazonでも入手できるとても小さなクリップライトと同じタイプのもので、机の端(マウスの近く)に挟んで手の甲を照らします。30Wのレフ球で使っていますが、気温にもよりますが10cmくらい離して使うのがちょうどよい感じでした。(手の甲から逃げる熱量と、手に照射される熱量が平衡してちょうどよい感じ。)

アームを自在に曲げることができるので、手との距離や角度をうまい具合に調整できます。
消費電力も小さいのでお勧めです。

 

 

 

 

 

2014年6月27日 (金)

ハトを撃退する釣り糸の張り方(続編)


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前回の記事で、ベランダに棒を固定してそこに釣り糸を張る方法を紹介しましたが、棒を固定できるような支柱がない場合の方法を紹介します。自分のマンションにも、ベランダと反対側にある小さな別のベランダにもハトが来るので、そこで使った方法です。

前回も書きましたが、マンションの屋外は例え分譲住宅でも共有部分になっていることがほとんどなので、接着剤などを使用することができません。そこで、接着剤のようなもので、不要になれば除去できる素材としてコーキング剤を試してみました。
コーキング剤というのは、お風呂などで、隙間に水が入り込まないようにするために使われているシリコンのような固まっても柔らかい充填剤です。
コーキング剤はホームセンター等で販売しています。製品例を最後に紹介しておきます。

まず、ベランダの手すりの上10cmくらいのところで、できるだけ外側(自分から遠い方)に、右端から左端まで糸を張るのが目的です。手すりの左端の壁と右端の壁の、糸を固定したい位置にコーキング剤を1円玉程度の大きさに高く盛り付けます。(左右の手すりの端が壁になっていることが前提です。)
次に、金属製などの軽いリングを、盛り付けたコーキング剤に埋め込みます。コーキング剤の粘性が高いので、軽いリングだとコーキング剤が乾く前でも落ちないで保持できます。ヘラなどを使って、リングの半分程度がコーキング剤に完全に埋まるようにします。そしてコーキング剤が固まるまで待ちます。

リングは直径が1cm〜2cm程度のものが最適です。金属製の製品例を最後に載せておきます。

コーキング剤が乾くまで24時間はかかります。コーキング剤が乾いたら、左右のリングに釣り糸を結びつけて張ります。釣り糸はできるだけ強く張らないと効果が弱いので、完全に乾いたかどうか、リングを引っ張ってみて確認してから張ります。時間的に余裕があれば48時間以上待ってから結びつけると、より強い力で張っても安心だと思います。

上記のようにできるだけ外側に糸を張るのが効果的ですが、それにより手前のほうのスペースにスキができてしまうようなら、手前にも1〜2本追加すると効果的です。

この方法は、糸の中央付近を支えることができないので、比較的短いベランダに適しています。

釣り糸は通販で購入すると高価なものが多いですが、ホームセンター等で200円以下で購入できるものもあります。糸の太さは3号(直径0.285㎜)より太い(号数が大きい)ものがよいと思います。

 

 

 

 

 

2014年6月15日 (日)

ハトを撃退する釣り糸の張り方


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うちのマンションのベランダに、去年からハトが頻繁にやって来るようになりました。真冬にだってやってきます。
いくら追い払っても、ハトは健気にやってきます。追い払っても追い払っても、決して敵意を見せないどころか、追い払われる寸前までこちらに好意的な眼差しを向けて可愛い顔をするあたりが、ハトは平和の象徴と言われる道理なのだと思います。そんな憎めないハトなのですが、唯一困るのは糞をされることです。糞によって周りが汚れるし、鳩の糞にはクリプトコッカス症とやらの恐ろしい病原菌があるというではないですか。キラキラ光るCDをぶら下げても、黄色と黒の丸印を見せても全く効果なしです。

そこで、効果があると聞いていたテグス(釣り糸)をハトが止まるところに張る案を実行してみて、良い結果が得られたのでお知らせします。
まず、ベランダは賃貸だけでなく分譲マンションにおいても「共用部分」になっていて、自分が所有している場所ではない場合がほとんどだと思います。なので糸を固定するのに壁面などを加工することはもとより、接着剤を付けることすら許可されていないと思います。そこで、ベランダの周囲に糸を固定するための、木の棒と結束バンドだけを使った簡単な仕掛けで効果があったのでその作り方を紹介します。

まず、うちのベランダの構造は、下の図のようにベランダと外とを遮る目隠し部分の塀がコンクリートの厚い壁になっていて、その上に手すりのような金属のバーが端から端まで渡してあります。そのバーは、同じ金属の支柱でコンクリート部分に複数箇所で支えられています。
ハトがやってくる時はいつも、このコンクリートの塀の上か、その上のバーの上に一旦止まって、様子を見てさらに中に入ってくるということがわかり、また糞をする場所もこの塀の上が一番多かったので、この塀の上とバーの上に釣り糸を張ることにしました。

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釣り糸を貼る仕掛けは下図のように、このバーの端にある金属製の支柱の部分に、太い結束バンドで軽い木の棒を2本、斜めに突き出す方向と支柱に沿う方向にそれぞれ固定し、それらの棒から、バーの他方の端に同様に固定した別の2本の棒まで糸を張るというものです。つまり棒が合計で4本必要になります。さらに、ベランダが長い場合には糸のテンションが弱くなり特にバーの中央付近で効果が弱くなるので、バーの中央付近の支柱にもさらにこのような2本の棒を付けて糸を中継するとよいと思います。結束バンドは太さが5mm以上の丈夫なものを使用し、かなり太くて長い結束バンドでも支柱を1周するのに足りない場合は、2本をつなぎ合わせて使います(結束バンドの穴に、別の結束バンドの先を少しだけ通して長くします)。釣り糸は太さが3号のものを使用し、木の棒は丸棒で太さが1cm程度のものを使用しました。

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下からやってきて止まるハトには、このように棒をベランダよりも少し外側に突き出して取り付けることによりブロックできるのですが、この「突き出す」という取り付け方は、近隣とのトラブルの原因や、特に低層階では他者への安全面での問題などになるかもしれませんのでよく考慮の上、判断下さい。

この案は同じような構造のベランダのお家でしたらそのまま参考にして頂けると思いますし、そうでなくても取り付け方などをヒントにして頂けるのではないかと思います。
結束バンドは樹脂製のため紫外線などで劣化して切れてしまうようなことも考えられますので、時々状態を確認するとともに、万が一切れても棒が外側に落ちないような工夫(棒と支柱を別の糸で繋いでおく、とか、結束バンドの本数を増やして取り付けるなど)が必要です。

(追記)今回のように、ベランダの手すりの上に支柱がない場合の糸の張り方を続編に記載しましたので参照下さい。

 

 

 

 

 

2012年12月10日 (月)

ブレーカーが落ちた! を防ぐ


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消費電力の大きな電化製品を一度に複数使ってブレーカーが落ちるのを防ぐために考えた方法です。

ブレーカーの容量が少ないと、電子レンジとオーブントースターを同時に使ったりするとブレーカーが落ちてしまいます。しかも、十分注意していても他に使用中の機器があることをつい忘れて、2台目(3台目)のスイッチを入れて落としてしまうことってよくありませんか?


今の住居に引っ越す前の住宅では賃貸住宅だったので、ブレーカーの容量を勝手に増やすことができずに何度も落ちてしまい苦労しました。ハードディスクレコーダーが録画中だったりすると最悪。録画中の内容が消えてしまうだけでなくハードディスクの寿命まで縮めてしまいます。

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その頃に考えた対策で、とてもアナログ的な方法(苦肉の策)をご紹介します。

ここでは消費電力の大きな機器が複数あり、そのうちの2つを同時に使うとブレーカーが落ちてしまう場合の例で説明します。例えばエアコン、電子レンジ、オーブントースター、アイロン、ドライヤーの中の2台を同時に使うと落ちてしまう場合です。

消費電力の大きな機器のうち、同時に使う可能性のある機器の数を数えて(上の例なら5台)、その機器よりも一つ少ない(上の例なら4枚の)「タグ」を準備し、タグには「使用禁止」と書いて機器に貼ります。機器がエアコンなどの場合はリモコンに貼ります。

この結果、タグが貼られていない機器が一つだけ存在することになります。この貼られていない機器は、最初は何でも構いません。

ここでいうタグというのは繰返しはがして貼れるものなら何でもよく、ポストイットでもいいし、どの機器も金属製ならシート式の磁石でもいいですが、貼付ける機器がオーブントースターなど発熱する機器の場合は、貼付けたタグが燃えたり溶けたりしないように十分注意して下さい。

さて運用方法ですが、使おうとする機器にタグが貼られていればそのタグをはがして、タグの貼られていない機器に貼り替えてから使う、という規則を常に守って実行します。これにより、使おうとする機器にタグが貼られていたら、タグが貼られていない他の機器(つまり使用中の可能性がある機器)に注意が向くため、ブレーカーが落ちる前に使用中の機器があることに気づくことができます。使用中の機器が使い終わってから、その機器にタグを貼り替えて、使いたかった機器を使うわけです。(使おうとする機器にタグが貼られていなければそのまま使えばOKです。)

長時間使うようなエアコンなどを使っている途中で電子レンジを使う場合は、エアコンを一旦停止して、電子レンジに貼られていたタグをエアコンのリモコンに貼り替えてから電子レンジを使い、使い終わったら再びエアコンのリモコンのタグを電子レンジに貼り替える、というように、こまめに運用する必要があります。電子レンジを一時的に使うだけだから問題ないと思ってエアコンのリモコンにタグを貼らないでいると、家族の他の人がドライヤーを使うときに、ドライヤーに貼ってあったタグをエアコンのリモコンに貼ってドライヤーを使用してしまうので、ブレーカーが落ちてしまいます。

上の例は2台でブレーカーが落ちる例でしたが、3台目で落ちるときは、運用するタグを1枚減らして、タグを貼らない機器の数が2台になるようにすればいいわけです。つまり、準備するタグの数は、消費電力の大きな機器だけを対象として、{同時に使用する可能性のある機器の数 − ブレーカーを落とさずに使用できる機器の数}となります。

この方法は、特に共働きなどの家庭で、朝の忙しい時間帯に作業を分担している時に、相方が使用している機器まで気が回らないような場合に役立ちます。

 

 

 

 

 

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