経済・政治・国際

2015年12月19日 (土)

公的機関の予算が余ったら返上できるような制度とインセンティブを


Banner_713x90



会社で自分が担当している仕事の他に、自部門の予算管理も任されていたことがありました。組織では3月や9月といった期末になると、余った予算を使い切ろうとします。なぜなら予算を余らせてしまうと、この部門は予算をそれほど必要としない部門だと上の方から思われてしまい、来期の割り当て予算を減らされてしまうからです。上の立場からすれば、限りある予算を振り分けるためには仕方がないことです。そのため、期末が近づいて部門の予算が余っていると、みんなに相談して本来必要のないものまで理由を付けて購入したりすることがよくありました。必要はないけどあれば便利、というようなレベルです。そのため次期の予算申請をするときには、幅広い解釈ができるような名目で申請しておき、期末になって予算が余ったら具体的な使い方を考える、ということをよくやっていました。

期末の予算が余ったら不要なものまで注文して予算を使いきろうとすることは、公的機関でも行われていることは容易に想像できます。特に公的機関では、来期の予算が削減されることを懸念するよりも、大切な税金を使ったのでこれだけの仕事をしたという「実績」を捻出しなければいけない、ということもあるでしょう。例えば期末になるとあちらこちらで道路工事が増えたりするのもその現れではないでしょうか。もちろん必要な工事もたくさんあるでしょうが、その中には必ずしも必要ではないものも含まれているのではないかと思います。このように消費されてしまう予算を、もっと必要なところで財源として利用できないのはとても残念なことです。

次期の消費税の軽減税率が思っていたよりも幅広い範囲に適用されて、その分足りなくなる財源を国はどこか他から調達する必要がありますが、財源を確保する方法として、いつも考慮すらされないのは、公共機関が毎年余らせてしまう予算です。これを国に返上して再利用できるような制度にすれば、かなりの財源が確保できるのではないでしょうか。

一方で公的機関の立場からすると、予算を使わないと仕事をしていないと思われてしまうので、返上を促すようにするための何らかのインセンティブは必要です。例えば公的機関ごとに、その期の実績を評価して、少ない費用でも効果的な仕事をして余った予算を返上した機関には来期の割り当て予算を増やす、などです。この辺りのアイデアは、インターネットを利用して国が国民から募集すれば良い案がたくさん集まると思います。今の時代だからこそ、国は有識者だけに頼らず国民からも幅広く、税金を上手に使うためのアイデアを募集するなどして真剣に考えてほしいものです。

 

 

 

 

 

無料ブログはココログ